保健室の目覚まし係になったら、学校一の沼男に捕まりました


十月になり、迎えた体育祭前日。

放課後。最後の準備作業を終えたあと、私は用具リストの確認をしていた委員長のところへ、書類を届けに行った。

「あ、平沢さん。ちょうどいいところに。ちょっとこれ見てもらえる?」

委員長が差し出したのは、明日の個人種目の出場者一覧だった。

「須藤くんがさっき、これ熱心に見てたよ。一年の出場種目、気になるんだって」

「え……」

「多分、知っている子の応援でもするんじゃない?」

委員長は、特に深い意味もなく笑ってそう言った。

だけど私は、その言葉に、指先まで温かくなっていくような感覚を覚えていた。

須藤先輩が、こっそり私の出場種目を調べてくれていた……?

もう構わないでと言った、あの日のことがあったのに。

それでも先輩は、私のことをさりげなく気にかけてくれているのだろうか。

そう思うと、意地を張っていた自分が、少しだけ恥ずかしくなった。