「あ、えっと……用具係で、お願いします」
言ってしまってから、しまったと思う。
よりによって、須藤先輩と同じ係を選んでしまうなんて。
でも、他の係の名前を考える余裕もなく、思わず口をついて出てしまっていた。
「じゃあ、須藤くんと平沢さんは、同じ用具係ね。よろしく」
そんなあっさりとした一言で、私たちは同じ係に決まってしまった。
◇
それから、放課後の空き時間を使って、用具係の作業が何度か行われた。
倉庫からハードルを運び出したり、玉入れのカゴを点検したり。
最初は、必要最低限の言葉しか交わさなかった。
物を渡すときも、彼と目を合わせないまま「これ」「はい」とだけ言葉を交わす、ぎこちない時間が続いた。
けれど、作業を重ねるうちに、少しずつ、その沈黙の質が変わっていくのを感じていた。
「それ、ひとりで持てる? 結構重いよ」
「大丈夫です」
意地でも、弱音は吐きたくなかった。
私はなんとか自分の力だけで運ぼうとしたけれど、案の定、途中でバランスを崩しそうになる。
「咲奈ちゃん、危ない!」



