五日目の朝。
「咲奈、今日はどうする?」
梨沙子に聞かれても、私は曖昧に笑って誤魔化すことしかできなかった。
正直、自分でも分からなかった。
このまま、ずっと避け続けるつもりなのか。
それとも、いつか勇気を出して、ちゃんと向き合うつもりなのか。
答えの出ないまま、午前中の授業が終わり、昼休みになった。
今日こそは行こう。
そう決意しかけた矢先だった。
「キャーッ!」
「かっこいいーっ!」
何だろう? 教室の扉の近くがやけに騒がしいような……?
気になって視線を移すと、教室の後方の扉付近に人だかりができていた。
それを見た私はギョッとする。
何なの、あれは。いったい何事!?
まぁ何であろうと自分には関係ないと、視線を戻したとき。
「はぁ……。やっと見つけたよ、咲奈ちゃん」
耳元で、聞き慣れた声がした。
顔を上げた瞬間、心臓が跳ねる。
そこに立っていたのはなんと、須藤先輩だった。
女の子にもみくちゃにされたのか、制服がよれている。
なんで、先輩がここに……。



