もしかして、あの言葉たちも、リンちゃんという人にも同じように向けられているんじゃないだろうか。
先輩にとって私は、その他大勢の女の子のうちの、ただの一人に過ぎないんじゃないだろうか。
『リンちゃん』って名前からして、どう考えても女の子だよね?
そもそも、寝ている須藤先輩を起こしてあげてるのは……私だけじゃなかったの?
突然のことに、頭が混乱する。
でも、ここで取り乱すわけにはいかない。
震えそうになる手を、私はぎゅっと握りしめる。
騒いだら、また柄本先生に見つかるかもしれない。
それに、こんな姿を先輩に見られたくない。
私は、深く息を吸い込んでから、静かに先輩の腕をそっとほどいていく。
一気に引き剥がすのではなく、少しずつ、音を立てないように。
「……っ、」
腕をほどかれたことに気づいたのか、先輩が小さく呻いたけれど、目を覚ますことはなかった。
そっとベッドを抜け出し、私は乱れた制服を整える。
震える指先を意識しながら、私はできるだけ冷静に、カーテンの外へと足を踏み出した。



