なないろハーモニー!

「よーし、絶対アイドルになるぞぉーーー!!!!!」
私・桃山 奈々。高校1年生。夢はステージに立ってキラキラ輝く、アイドル。実は私、アイドルになるために、アイドルオーディションを受けることになったんだ。(女子限定)すっごい楽しみ…!
そして今日は、アイドルオーディション会場(芸能事務所)に来たってわけ。

オーディションを受ける部屋の前に着いて、ドアを開ける。
_ガチャッ

「こんにちは〜。って、え?」

目の前の光景を改めて理解する。いや、理解しつつも口をぽか…んと開けたままだ。だって…!!
女の子たちみんな、目をハートにしてるんだもん…!!ていうか、みんなすっごく可愛い…!!
私、なんか、違う意味で浮いたりしないかな!?

「おいお前ら、とっととオーディション始めるぞ。ここに並べ。」

お、男の人の声!?声がした方を見ると…。

「…かっこいい…。」

一人の黒髪の男の人が立っていた。私より年上かな?
ていうか、”かっこいい”!?私今、”かっこいい”って言った!? なるほど…。女の子たちの目がハートになっているのはこの人が原因なんだ…。ってか、なんで男子がいんの!?このオーディション、女子限定だよね!?

「やっぱ、イケメンだわ…。プロデューサー。」

「さすが…、かっこよすぎでしょ…。」

えっ。この人プロデューサーなの!?…にしてはずいぶん口が悪かったような?ま、いっか。いわゆる”イケメン口悪プロデューサー”って感じかな?

「俺はプロデューサーの黒澤 蓮翔だ。…よろしく。」

「「「ギャーーーー!!!!!」

「…うるせぇ。早く始めるぞ。
はい、不合格、不合格、不合格、合格、不合格、不合格…(略)」

え!?まだ何も審査されてないよ!?
そんなのもお構いなし、と言うように、プロデューサーさんはどんどん結果を発表していっている。
…次は、私の番だ。

「…合格。」

えっ合格!?今、合格って言ったよね!?嘘!?こんなあっさり!?

「えっあっ。ありがとうございます……。」

そしてあっという間にオーディションは終わった。

「合格したやつはまだ残っとけ。他のやつは帰れ。」

「うぅ……。なんで…。」

「私、この日のために色々頑張ってきたのに…。」

私は合格できたけど…他の人たちと同じ気持ちだ。
そうだよね…たくさん努力してきたのに、こんなにあっさり決められて。
よし、とりあえず私は残ればいいんだよね。
選ばれたんだから、他の子たちの気持ちも背負って頑張らなきゃ!!

「…少し自由にしてろ。もう少ししたら戻ってくる。」

そのあまりにも適当そうな態度に私は、プツンと来てしまった。いけないいけない!!プロデューサー相手だよ!?ダメダメ…。そう言ってプロデューサーさんは、部屋を出ていった。

今、部屋にいるのは…選発されたメンバーたち。
水色の髪をポニーテールに結った、たくましそうな女の子。黄色い髪を二つの三つ編みに結った、少しおとなしそうな女の子。紫の髪を高めのツインテールに結った、ふわふわ系の美少女。緑の髪をお団子に結った、不安そうな笑みを浮かべる女の子。そして、ピンクの髪を三つ編みロングに結っている私の5人。

「あの…う、まず自己紹介します…?」

静かな空気のままはさすがに嫌で、とりあえずそう話しかける。

「…チッ。」

「…。」

「え、めんど。」

「私のことなんか、知らなくていいですよ…。」

うっ。なんかすごいショック…。みんな対応が冷たい…。私このグループでやっていける!?

「はぁ、でも、お互いのこと知らないとだよね。めんどいけど。…じゃあ〜。そのピンク髪の子から♡」

「えっ。」

紫の髪の女の子がそう言う。この子、さっきまですごい面倒くさがってたけど…今、すごいきゅるきゅるしてない?う、上目遣いの威力が…。てか、”ピンク髪の子”って私!?私から!?
でもそっか…私が言い出したもんね…。

「も、桃山 奈々です…。」

「好きなことは?」

「す、好きなことは…、物を持つことです!!」

「「「「…物を持つこと??」」」」

「うん!私、力だけはあるの!!だから、力仕事はおまかせあれ!!(ドヤッ)」

そう言って、思いきりガッツポーズをする。

「ふーん…。変な趣味。」

えっ。へ、変な趣味…。

「じゃ、次は水色の髪の子〜♡」

「水色言うな。…水瀬 叶芽。好きなことは…喧嘩。よろしく。」

け、喧嘩!?好きなことが…喧嘩!?

「カナっちはヤンキーなんだねぇ〜。」

「うるせぇ。」

や、ヤンキーなんだ…。

「それじゃ、次は黄色の髪の子!」

「…黄田 茉子です。好きなことは特にないです。…よろしくお願いします。」

少しおとなしい子だな…。緊張してるのかな…?

「よろしくねっ!!茉子ちゃん!!」

緊張がほぐれるように、話しかけてみる。

「…っ。」

ん?今、茉子ちゃんの目が見開いたような…。

「…茉子って呼んで欲しいです。」

「…? それじゃ、茉子!よろしくね?」

「はいは〜い!!次は私!紫堂 莉愛です♡好きなことは男子を落とすこと〜!!よく”裏ありぶりっ子”って言われてます!!でも言い返して、勝ってます♡」

おぉ…。”裏ありぶりっ子”…?すごい呼び名だ…!
言い返して勝ってるんだ…。私じゃそんなこと出来ないな…。

「はいじゃあ次!緑の髪の子!最後かな?」

「あ…えっと…み、緑川 陽香です…。こんな弱虫な私ですけど、その…よろしくお願い…し…ま…す…。」

「あ〜ちょっと、泣かないで〜。」

なんか、ほとんどみんな色々な事情がある気がする…。
あはは…。でも、みんなの力が合わされば、きっと
最高のグループになるはず!!これから頑張ろうっ!!

「それじゃあ、これからみんな、よろしくお願いします!!」

「…あぁ。」

「…はい。」

「うん♡…でも、やっぱめんど。」

「あ…はい…。」

あはは…やっぱみんな返事が浅い…。

「ところで、みんなは歌とダンスって得意なの?」

アイドルなんだから、歌もダンスも上手にならないと!!私は何もかも初心者だからなぁ〜。大丈夫かな?まさかオーディションに受かるとは思ってなかったし。すると、真っ先に答えてくれたのは、叶芽ちゃんだった。(名前で呼んでいいのかな?)

「…歌は低音ならいける。高音は無理。ダンスは…知らん。やったことない。」

「えっ。小学校の運動会とかで踊ったりしてない?」

「あー、サボってたからやってない。でも確かにあった気がする。」

さ、サボってたんだ…。あはは…。
その次に、茉子が口を開いた。

「私は…歌なら、得意です。ダンスはちょっと…苦手かな…。」

おぉ…!!茉子は歌が得意なんだ!新しい友達の特技を知れて、嬉しいなっ。

「あたしはね〜。何もできないよっ♡…ただ、この顔さえあれば何でもできたから。」

みんな、ほとんどできるんだ…!莉愛ちゃんも何もできないっていってたけど、すぐうまくなりそうだし…。私、本当についていける!?
_ガチャッ

今日はここまで!!