誕生日

「先生にとってはしょうもないことかもしれないけどわたしにとっては重要事項だったんです!誕生日なのに綺麗な髪型にできなくてモチベ下がるし、朝ギリギリで友だちのサプライズも全然堪能できなかったし。ママのせいでぜーんぶ台無しになっちゃった」

「ふーん」

「しかもママが起こしてくれなかった理由、レシピ本に夢中になって忘れてたってゆーね、すっごいしょうもなくて腹立つし!ママのそういうおっちょこちょいだけど憎めないとこが逆にムカつく!怒りの矛先がなくて鬱憤晴らせないこっちの身にもなってよ!もうママなんか大っ嫌い!」


はーーっ、と大きくため息と同時に肩の力が抜ける。

なんか口に出したらすっきりしたかも。

ちら、とまっつんを見れば、どうしてかニヤニヤ笑ってる。


「どういう感情ですかその笑みは」

「いやぁ、篠原の母さんってなんか俺のお袋と似てるわ」

「あっそーですか」


だから何だってんだ。


「もうこの世にいないけどな」

「っ、」


その声はとても落ち着いていた。