「こっち」
「うん」
連れていかれたのは、少しだけ人の少ない土手の上だった。
下には祭りの灯りが広がって、空はゆっくりと夜の色を深くしていく。
「ここなら見やすい」
「ほんとだ……きれい」
そうつぶやいた瞬間、空に大きな花火が咲いた。
どん、と胸に響く音。
赤、青、金。
次々にひらく光が、いちかの横顔を照らす。
「白石」
花火の音にまぎれるように、莉久が名前を呼ぶ。
振り向くと、すぐ近くに莉久がいた。
花火じゃなくて、自分を見ている。
その視線の熱に、息が止まりそうになる。
「今日、ずっと言いたかった」
低い声。
夜の中で、それだけがはっきり届く。
「かわいすぎて、ほんとに困った」
「……困らなくていいのに」
「困る。好きだから」
そのひと言が、花火よりも強く胸に響いた。
「うん」
連れていかれたのは、少しだけ人の少ない土手の上だった。
下には祭りの灯りが広がって、空はゆっくりと夜の色を深くしていく。
「ここなら見やすい」
「ほんとだ……きれい」
そうつぶやいた瞬間、空に大きな花火が咲いた。
どん、と胸に響く音。
赤、青、金。
次々にひらく光が、いちかの横顔を照らす。
「白石」
花火の音にまぎれるように、莉久が名前を呼ぶ。
振り向くと、すぐ近くに莉久がいた。
花火じゃなくて、自分を見ている。
その視線の熱に、息が止まりそうになる。
「今日、ずっと言いたかった」
低い声。
夜の中で、それだけがはっきり届く。
「かわいすぎて、ほんとに困った」
「……困らなくていいのに」
「困る。好きだから」
そのひと言が、花火よりも強く胸に響いた。



