夏祭りの夜。
空気はまだ少し暑いのに、胸の奥だけが落ち着かなかった。
今日は莉久とふたりで行く夏祭り。
待ち合わせの前から、いちかは何度も浴衣の帯を気にしてしまう。
淡いいちご色の浴衣に、小さな白い花。
鏡の前で見た自分は少しだけ大人っぽく見えたけれど、莉久がどう思うかが気になって仕方ない。
約束の場所に着くと、先に待っていた莉久が振り向いた。
その瞬間、時間が止まったみたいだった。
黒に近い紺色の浴衣。
いつもより少し低く見える前髪。
夏の夜の空気まで似合ってしまうその姿に、いちかは息をのむ。
でも、莉久のほうも同じだった。
いちかを見た瞬間、ぴたりと動きが止まる。
「……かわいい」
やっと落ちた声は、少しかすれていた。
「ほんと?」
「ほんと」
それだけ言って、莉久は小さく息をつく。
「思ったよりずっとだめかも」
「え?」
「理性」
そのひと言で、いちかの頬が一気に熱くなる。
空気はまだ少し暑いのに、胸の奥だけが落ち着かなかった。
今日は莉久とふたりで行く夏祭り。
待ち合わせの前から、いちかは何度も浴衣の帯を気にしてしまう。
淡いいちご色の浴衣に、小さな白い花。
鏡の前で見た自分は少しだけ大人っぽく見えたけれど、莉久がどう思うかが気になって仕方ない。
約束の場所に着くと、先に待っていた莉久が振り向いた。
その瞬間、時間が止まったみたいだった。
黒に近い紺色の浴衣。
いつもより少し低く見える前髪。
夏の夜の空気まで似合ってしまうその姿に、いちかは息をのむ。
でも、莉久のほうも同じだった。
いちかを見た瞬間、ぴたりと動きが止まる。
「……かわいい」
やっと落ちた声は、少しかすれていた。
「ほんと?」
「ほんと」
それだけ言って、莉久は小さく息をつく。
「思ったよりずっとだめかも」
「え?」
「理性」
そのひと言で、いちかの頬が一気に熱くなる。



