「こういうの、ずるいよね」
いちかがぽつりと言うと、莉久が視線を落とす。
「なにが」
「雨の日って、近くなる言い訳があるから」
すると莉久は少しだけ目を細めた。
「言い訳じゃなくても近づくけど」
「っ……」
「でも今日は、堂々とできるからいい」
その言葉に、いちかの心臓がまた速くなる。
駅までの道の途中。
信号待ちで立ち止まったとき、莉久がふいにいちかを見下ろした。
「白石」
「なに?」
「今、すごいくっついてるの分かってる?」
「分かってるよ……」
恥ずかしくてうつむくと、莉久が少しだけ笑う。
「かわいい」
「そんなこと言わないで」
「無理。近すぎるから余計に言いたくなる」
雨粒が傘をたたく音の中で、その声だけがやけに近く聞こえる。
いちかは胸がいっぱいになって、そっと莉久の制服の袖をつかんだ。
「ん?」
「……私も、近いのいやじゃないよ」
勇気を出してそう言うと、莉久の表情が止まる。
それから、どうしようもなく甘い顔で笑った。
「それ、今言う?」
「だってほんとだもん」
いちかがぽつりと言うと、莉久が視線を落とす。
「なにが」
「雨の日って、近くなる言い訳があるから」
すると莉久は少しだけ目を細めた。
「言い訳じゃなくても近づくけど」
「っ……」
「でも今日は、堂々とできるからいい」
その言葉に、いちかの心臓がまた速くなる。
駅までの道の途中。
信号待ちで立ち止まったとき、莉久がふいにいちかを見下ろした。
「白石」
「なに?」
「今、すごいくっついてるの分かってる?」
「分かってるよ……」
恥ずかしくてうつむくと、莉久が少しだけ笑う。
「かわいい」
「そんなこと言わないで」
「無理。近すぎるから余計に言いたくなる」
雨粒が傘をたたく音の中で、その声だけがやけに近く聞こえる。
いちかは胸がいっぱいになって、そっと莉久の制服の袖をつかんだ。
「ん?」
「……私も、近いのいやじゃないよ」
勇気を出してそう言うと、莉久の表情が止まる。
それから、どうしようもなく甘い顔で笑った。
「それ、今言う?」
「だってほんとだもん」



