いちご色の恋予報♡

「傘、忘れたの?」

後ろから声がして、いちかは振り向く。
そこには、黒い傘を手にした莉久が立っていた。

「うん……朝は降ってなかったから」

そう答えると、莉久は少しだけ眉を下げる。

「風邪ひく」

「小走りで帰ればなんとか」

「なんとかならない」

即答だった。
その言い方がおかしくて、いちかは少し笑ってしまう。

「じゃあ、どうするの」

「一緒に帰る」

あまりにも当然みたいに言われて、胸がどきんと跳ねた。

昇降口を出ると、雨は思ったより少し強くなっていた。
莉久が傘を開く。
その黒い傘の下に入るようにうながされて、いちかはおそるおそる近づいた。

でも、ひとつの傘にふたりはやっぱり近い。
肩が触れそうで、制服の袖がかすかにこすれる。