いちご色の恋予報♡

「ほんとにもう……」

小さくつぶやくと、莉久がそっと手を伸ばしてくる。
そして、いちかの指先をやさしくつかんだ。

「来てくれてありがと」

低い声が、静かな保健室に落ちる。

「みんなの前より、今のほうがうれしい」

「なんで?」

「心配して飛んできてくれたから」

そう言われると、恥ずかしいのに、うれしい。
いちかはつながれた指先を見つめて、小さく言う。

「だって莉久だもん」

その瞬間、莉久がぴたりと止まる。

「それ、ずるい」

「え?」

「そういうこと、さらっと言うから」

さっきまで余裕そうだったのに、今度は莉久のほうが少し困ったように笑っていた。

保健室の中は静かだった。
先生は少し席を外しているらしく、今はふたりきり。
カーテン越しにやわらかな光が差し込んでいて、さっきまでのにぎやかな校庭が遠く感じる。

「白石」

「ん?」

「もうちょい近く来て」

「え……でも、膝痛いんでしょ」

「だから」

そう言って、莉久はつないだ手を少し引く。
いちかは椅子のすぐそばまで近づいた。