ベッドではなく、椅子に座っている。
少しほっとした。
でも、膝には白いガーゼが貼られていて、いちかの胸がきゅっと痛くなる。
「莉久……!」
名前を呼ぶと、莉久が顔を上げた。
そして一瞬、少し驚いたように目を見開く。
「なんで来たの」
「なんでって……けがしたって聞いたから」
息を切らしたまま近づくと、莉久は小さく笑った。
「そんなに急いだ?」
「急ぐよ……!」
思ったより強い声が出て、自分でも少しびっくりする。
でも、それくらい心配だった。
「大丈夫?」
しゃがんで膝を見る。
傷自体は大きくなさそうなのに、赤くなっているのを見るだけでつらい。
「これ、痛い?」
「ちょっとだけ」
「ほんとに?」
「ほんと」
莉久はそう言うけれど、いちかはなかなか安心できない。
すると莉久が、じっといちかを見つめた。
「白石」
「なに?」
「そんな顔しないで」
「え?」
「泣きそう」
その言葉に、いちかははっとする。
気づかないうちに、眉が下がっていたのかもしれない。
「だって……心配したもん」
正直に言うと、莉久の表情がやわらかくほどける。
「うれしい」
「うれしいじゃないよ……」
「だって、俺のことでそんなに必死になってくれるの、かわいい」
こんなときまでそんなことを言うなんてずるい。
でも、少しだけいつもの莉久に戻った気がして、いちかはほっとした。
「無理しないでよ」
「してない」
「転んだのに?」
「白石が見てたから、かっこ悪いとこ見せたくなかっただけ」
そのひと言に、胸がまたどきっとする。
「それで無理したの?」
「ちょっと」
あっさり認められて、いちかは思わずため息をつく。
けれど怒るより先に、愛しさのほうがこみ上げた。
少しほっとした。
でも、膝には白いガーゼが貼られていて、いちかの胸がきゅっと痛くなる。
「莉久……!」
名前を呼ぶと、莉久が顔を上げた。
そして一瞬、少し驚いたように目を見開く。
「なんで来たの」
「なんでって……けがしたって聞いたから」
息を切らしたまま近づくと、莉久は小さく笑った。
「そんなに急いだ?」
「急ぐよ……!」
思ったより強い声が出て、自分でも少しびっくりする。
でも、それくらい心配だった。
「大丈夫?」
しゃがんで膝を見る。
傷自体は大きくなさそうなのに、赤くなっているのを見るだけでつらい。
「これ、痛い?」
「ちょっとだけ」
「ほんとに?」
「ほんと」
莉久はそう言うけれど、いちかはなかなか安心できない。
すると莉久が、じっといちかを見つめた。
「白石」
「なに?」
「そんな顔しないで」
「え?」
「泣きそう」
その言葉に、いちかははっとする。
気づかないうちに、眉が下がっていたのかもしれない。
「だって……心配したもん」
正直に言うと、莉久の表情がやわらかくほどける。
「うれしい」
「うれしいじゃないよ……」
「だって、俺のことでそんなに必死になってくれるの、かわいい」
こんなときまでそんなことを言うなんてずるい。
でも、少しだけいつもの莉久に戻った気がして、いちかはほっとした。
「無理しないでよ」
「してない」
「転んだのに?」
「白石が見てたから、かっこ悪いとこ見せたくなかっただけ」
そのひと言に、胸がまたどきっとする。
「それで無理したの?」
「ちょっと」
あっさり認められて、いちかは思わずため息をつく。
けれど怒るより先に、愛しさのほうがこみ上げた。



