いちご色の恋予報♡

ベッドではなく、椅子に座っている。
少しほっとした。
でも、膝には白いガーゼが貼られていて、いちかの胸がきゅっと痛くなる。

「莉久……!」

名前を呼ぶと、莉久が顔を上げた。
そして一瞬、少し驚いたように目を見開く。

「なんで来たの」

「なんでって……けがしたって聞いたから」

息を切らしたまま近づくと、莉久は小さく笑った。

「そんなに急いだ?」

「急ぐよ……!」

思ったより強い声が出て、自分でも少しびっくりする。
でも、それくらい心配だった。

「大丈夫?」

しゃがんで膝を見る。
傷自体は大きくなさそうなのに、赤くなっているのを見るだけでつらい。

「これ、痛い?」

「ちょっとだけ」

「ほんとに?」

「ほんと」

莉久はそう言うけれど、いちかはなかなか安心できない。
すると莉久が、じっといちかを見つめた。

「白石」

「なに?」

「そんな顔しないで」

「え?」

「泣きそう」

その言葉に、いちかははっとする。
気づかないうちに、眉が下がっていたのかもしれない。

「だって……心配したもん」

正直に言うと、莉久の表情がやわらかくほどける。

「うれしい」

「うれしいじゃないよ……」

「だって、俺のことでそんなに必死になってくれるの、かわいい」

こんなときまでそんなことを言うなんてずるい。
でも、少しだけいつもの莉久に戻った気がして、いちかはほっとした。

「無理しないでよ」

「してない」

「転んだのに?」

「白石が見てたから、かっこ悪いとこ見せたくなかっただけ」

そのひと言に、胸がまたどきっとする。

「それで無理したの?」

「ちょっと」

あっさり認められて、いちかは思わずため息をつく。
けれど怒るより先に、愛しさのほうがこみ上げた。