いちご色の恋予報♡

莉久が紙を取る。
開いて、見る。
その瞬間、ほんの少しだけ目を細めた。

次の瞬間だった。

莉久は迷いなく走り出す。
でも向かった先は、先生でも、友達でも、近くにいた目立つ生徒でもなかった。

まっすぐ、いちかのほうだった。

「え……?」

一気にまわりがざわつく。
クラスメイトたちの視線が集まる中、莉久はためらいなくいちかの前で止まった。

「白石、来て」

「え、えっ、私!?」

「うん」

「で、でも……」

顔が熱い。
何が書いてあったのかなんて考える余裕もない。
けれど莉久は、みんなが見ている中でも少しもぶれなかった。

「早く」

差し出された手。
その目は、いつものふたりきりのときと同じくらいまっすぐだった。

いちかはどきどきしながら、その手を取る。
次の瞬間、校庭のあちこちから歓声が上がった。

「え、やば!」
「神谷くん、白石さん選んだ!」
「なにあれ、ほんとに!?」

恥ずかしくてたまらないのに、手はあたたかい。
そのまま莉久に引かれて、ふたりでゴールへ向かって走る。

先生に紙を見せると、さらにまわりがざわめいた。

そこに書かれていたのは。

大切な人。

「っ……」

いちかの頬が一気に赤くなる。
こんなの、ほとんど告白みたいだった。

先生が苦笑しながらうなずく。

「はい、通過」

その瞬間、校庭中から大きな歓声が上がる。
冷やかし半分、でも確かに祝福も混じった声。
いちかはもう恥ずかしくて、まともに前も見られない。

でも莉久は、つないだ手を離さなかった。

ゴールを抜けて、少し人の少ないテント裏まで来たところで、いちかはようやく小さく声を出す。