いちご色の恋予報♡

「昼、屋上来て」

それだけ言って、莉久は先に教室を出ていった。

昼休みの屋上。
風はやわらかいのに、いちかの胸は落ち着かない。

扉を開けると、フェンスの前に立っていた莉久が振り向いた。

「来た」

「うん……」

近づくと、莉久はしばらく何も言わない。
その沈黙が余計にどきどきさせる。

「怒ってる?」

いちかがそっと聞くと、莉久は少しだけ眉を寄せた。

「怒ってはない」

「ほんとに?」

「……嫉妬してるだけ」

あまりにも正直な答えに、いちかは目を丸くした。

「だって、白石のクラス行ったら、知らないやつが普通に隣で笑わせてるし」

低い声でそう言って、莉久は一歩近づく。

「俺が知らないところで、ああいうふうに話してるのかなって思ったら、無理だった」

いちかの心臓が跳ねる。
静かなのに、言葉のひとつひとつに独占欲がにじんでいた。

「ただノートの話してただけだよ」

「分かってる」

「じゃあ……」

「分かっててもいや」

そう言い切られて、胸の奥が甘く苦しくなる。

「白石が悪いわけじゃない。でも、ああいうの見たら平気じゃいられない」

そのまま腕を引かれて、いちかは莉久のすぐ前に立たされる。
逃げられないくらい近い距離。
でも怖くはなかった。
むしろ、その近さに胸が熱くなる。

「莉久」

「なに」

「そんなに好きでいてくれるの?」

聞くと、莉久は少しだけあきれたみたいに笑った。

「今さら?」

「だって、改めて言われると……」

「好きだよ」

間をあけずに返ってくる。