いちご色の恋予報♡

翌朝。
校門の近くには、新しいクラス表を見に来た生徒たちがたくさん集まっていた。

ざわざわした空気。
笑い声。
緊張した顔。

その中で、いちかは莉久の袖をそっとつかんでいた。

「……やだな」

小さくこぼすと、莉久が隣でいちかを見る。

「なにが」

「クラス替え」

正直に言うと、莉久は一瞬だけ黙った。
それから、つないでいた手に少しだけ力をこめる。

「俺もやだ」

「え?」

思わず見上げると、莉久は少し困ったように笑った。

「白石と離れるの、普通にいや」

そのひと言だけで、泣きそうになるくらいうれしかった。
でも同時に、もし本当に離れたらと思うと、余計に胸が締めつけられる。

クラス表の前に着く。
たくさんの名前の中から、自分たちを探す時間がやけに長く感じた。

「……あ」

いちかが見つけたのは、自分の名前。
その少し離れた場所に、莉久の名前。

違うクラスだった。

一瞬、音が遠くなる。
周りでは、友達同士の歓声や残念そうな声が飛び交っているのに、いちかには何も入ってこなかった。

「白石」

莉久がすぐに気づいて名前を呼ぶ。
でも、いちかはうまく笑えない。

「そっか……離れちゃったね」

言葉にした瞬間、胸の奥がじわっと痛んだ。
大丈夫って言いたいのに、思ったよりずっとさみしい。