いちご色の恋予報♡

「よかった。昨日までずっと悩んでた」

「え?」

「白石が喜ぶもの、ちゃんと渡したくて」

その言葉だけで、胸がいっぱいになる。
自分のために迷って、考えて、選んでくれた。
それが何よりうれしかった。

「ありがとう……すごくうれしい」

大事そうに包みを抱えるいちかを見て、莉久の目がやわらかく細まる。

「それだけじゃない」

「え?」

次の瞬間、莉久が少しだけ近づく。
ベンチの上で、肩が触れそうなくらいの距離になる。

「バレンタインのお返し、今日の何倍も返すって言ったでしょ」

低い声が、やわらかい夕方の空気に溶ける。

「う、うん……」

「だから、まだ終わってない」

どきんと心臓が跳ねる。

莉久はそっと手を伸ばして、いちかの指先に触れた。
そのまま、やさしく手をつなぐ。

「バレンタインの日、ほんとは抱きしめるだけで限界だった」

「……っ」

「今日も今、かなり限界」

そんなふうに言いながらも、手つきはあくまでやさしい。
それが余計に、いちかの胸を甘くさせる。

「白石」

名前を呼ばれて顔を上げると、すぐ近くに莉久がいた。
夕焼けを映した瞳が、まっすぐいちかだけを見ている。

「お返し、もうひとつほしい?」

「え……」

「言って」

少し意地悪なのに、声はひどく甘い。
いちかは恥ずかしくてたまらなかったけれど、逃げたくはなかった。

「……ほしい」

小さく答えた瞬間、莉久の表情が崩れる。
うれしさを隠せていない、甘い顔だった。