三月十四日。
朝からいちかは、なぜかそわそわしていた。
バレンタインの日に、莉久が言った言葉。
今日の何倍も返す。
あれからずっと、その意味を考えてしまう。
お返しをくれるのかな。
それとも、またあの甘すぎる言葉で困らせてくるのかな。
考えるたびに、胸が落ち着かなかった。
放課後。
帰りのホームルームが終わると同時に、スマホが震える。
昇降口で待ってて。
短いメッセージなのに、いちかの心臓は一気に速くなる。
急いで支度をして昇降口へ向かうと、壁にもたれて待っていた莉久が顔を上げた。
制服姿のままなのに、今日の莉久はいつもより少しだけ特別に見える。
「行こ」
「う、うん」
自然に差し出された手を取る。
それだけで、今日がただの帰り道じゃないって分かった。
連れていかれたのは、駅前から少し離れた小さな公園だった。
春の気配が少しずつ混じる風が、やさしく吹いている。
夕焼けに染まったベンチの前で、莉久が足を止めた。
「座って」
言われるまま座ると、莉久も隣に腰を下ろす。
少しだけ緊張した空気の中で、莉久はバッグから小さな紙袋を取り出した。
白とピンクのリボンがついた、かわいい包み。
「これ、ホワイトデー」
「……私に?」
「白石以外にあげない」
まっすぐ言われて、いちかの頬がすぐに赤くなる。
「開けていい?」
「うん」
そっとリボンをほどく。
中には、上品でかわいらしいお菓子と、小さなキーホルダーが入っていた。
いちごのモチーフがついた、ころんとしたデザイン。
「かわいい……!」
思わず声がこぼれる。
すると莉久が、少しだけ安心したみたいに息をついた。
朝からいちかは、なぜかそわそわしていた。
バレンタインの日に、莉久が言った言葉。
今日の何倍も返す。
あれからずっと、その意味を考えてしまう。
お返しをくれるのかな。
それとも、またあの甘すぎる言葉で困らせてくるのかな。
考えるたびに、胸が落ち着かなかった。
放課後。
帰りのホームルームが終わると同時に、スマホが震える。
昇降口で待ってて。
短いメッセージなのに、いちかの心臓は一気に速くなる。
急いで支度をして昇降口へ向かうと、壁にもたれて待っていた莉久が顔を上げた。
制服姿のままなのに、今日の莉久はいつもより少しだけ特別に見える。
「行こ」
「う、うん」
自然に差し出された手を取る。
それだけで、今日がただの帰り道じゃないって分かった。
連れていかれたのは、駅前から少し離れた小さな公園だった。
春の気配が少しずつ混じる風が、やさしく吹いている。
夕焼けに染まったベンチの前で、莉久が足を止めた。
「座って」
言われるまま座ると、莉久も隣に腰を下ろす。
少しだけ緊張した空気の中で、莉久はバッグから小さな紙袋を取り出した。
白とピンクのリボンがついた、かわいい包み。
「これ、ホワイトデー」
「……私に?」
「白石以外にあげない」
まっすぐ言われて、いちかの頬がすぐに赤くなる。
「開けていい?」
「うん」
そっとリボンをほどく。
中には、上品でかわいらしいお菓子と、小さなキーホルダーが入っていた。
いちごのモチーフがついた、ころんとしたデザイン。
「かわいい……!」
思わず声がこぼれる。
すると莉久が、少しだけ安心したみたいに息をついた。



