いちご色の恋予報♡

「り、莉久……学校だよ」

「分かってる。だから我慢してる」

「してるように見えない……」

そう言うと、莉久は少しだけ笑った。
でも、その笑顔さえ余裕なんてなかった。

「今の俺、かなり危ない」

そっと頬に触れられる。
やさしいのに、熱が伝わってくる。

「かわいすぎる。こんなのもらって平気なわけない」

「喜んでくれた?」

「喜ぶどころじゃない」

莉久はそう言って、いちかの額にこつんと自分の額を当てた。
距離はもうほとんどゼロだった。

「今すぐ抱きしめたい」

「っ……」

「キスもしたい」

真っ赤になるいちかを見て、莉久は苦しそうに息をつく。

「でも、ちゃんと我慢する。白石が困るのはいやだから」

その言葉に、いちかの胸がきゅうっとなる。
こんなに甘くて、独占欲が強いのに、いちばん大事なところはやっぱりやさしい。

「莉久」

「なに」

「……少しなら、困らないよ」

言った瞬間、自分で何を言ったのか分かって、いちかは顔を隠したくなった。
けれど莉久は一瞬固まったあと、ものすごく甘い顔をする。

「それ、あおるの上手すぎ」

「ち、違っ……」

最後まで言う前に、そっと抱きしめられる。
苦しくないように、でも離さないみたいに強い腕だった。

「ありがとう」

耳元で落ちたその声は、今まででいちばんやさしかった。

「大事に食べる。たぶん一個ずつ、すごく時間かけて」

「そんなに?」

「だってもったいない。白石の気持ち入ってるから」

抱きしめられたまま、いちかは小さく笑った。
胸の中が甘く満たされていく。

そして帰る直前。
莉久はそっといちかを離して、まっすぐ見つめた。

「ホワイトデー、覚悟して」

「え?」

「今日の何倍も返す」

その宣言に、いちかの頬はまた赤くなる。

夕焼けの差し込む階段で交わしたバレンタインは、
手作りの甘さと、莉久の理性ぎりぎりの溺愛で、
とびきり特別な放課後になった。