いちご色の恋予報♡

ぽつりと落ちた声は、思っていたよりずっとやわらかい。

「ほんと?」

「うん。白石っぽい」

その言葉に、いちかは少しだけ笑う。
けれど次の瞬間、莉久の様子が少し変わったのに気づいた。

包みを見つめたまま、黙っている。
表情はいつもどおりに見えるのに、空気だけが妙に熱い。

「莉久……?」

呼ぶと、莉久はゆっくり顔を上げた。
その目が、いつもよりずっとまっすぐで、甘くて、危ない。

「これ、俺のために作ったんだよね」

「そ、そうだよ」

「昨日、俺のこと考えながら?」

「っ……そうだけど」

聞かれるたびに恥ずかしい。
けれど莉久は逃がしてくれない。

「どれくらい時間かかった」

「えっと……けっこう」

「失敗した?」

「ちょっとだけ……」

そこまで聞くと、莉久は片手で目元をおさえた。

「……無理」

「えっ」

「好きすぎて、ほんと無理」

低くこぼれた本音に、いちかの心臓が跳ねる。

「白石が俺のために頑張ったって思ったら、理性がもたない」

言いながら、莉久は一歩近づく。
階段の踊り場の壁際まで追いつめられて、いちかの呼吸が止まりそうになる。