ようやく少し人の少ない場所に出ると、いちかはほっと息をついた。
「助かった……」
「怖くなかった?」
「莉久がいたから平気だった」
そう答えると、莉久は少しだけ目を細めた。
そのまま、境内の端の静かな場所まで連れていかれる。
「いちか」
名前を呼ばれて顔を上げる。
さっきまで人混みの中で見せていた顔よりも、ずっとやわらかい表情だった。
「今日はほんとにかわいい」
「また言う……」
「だって、ずっと言いたかった」
莉久の指が、そっといちかの髪飾りに触れる。
乱れていないか確認するみたいにやさしい手つきなのに、その目はひどく甘い。
「周りのやつに見せたくないくらい」
「っ……」
「着物姿も、俺の隣で笑ってる顔も、全部」
いちかの頬はまた熱くなる。
こんなふうに独占したいみたいに言われるたび、苦しいくらいうれしくなる。
「でも」
莉久は少しだけ顔を近づける。
「今日いちばんうれしいのは、ちゃんと隣にいること」
そのひと言に、いちかは胸いっぱいになって、そっと莉久のコートの袖をつかんだ。
「私も……莉久と来れてうれしい」
言うと、莉久はふっと笑う。
それから、誰も見ていないのを確かめるみたいに周りを見て、いちかの額にそっとキスを落とした。
「新年最初のごほうび」
「もう……こんなところで」
「人少ないし」
「そういう問題じゃないよ」
困ったように笑ういちかを見て、莉久は満足そうに目を細めた。
お参りをしたあと、おみくじを引いて、屋台で甘いものを分け合う。
その間も莉久はずっと自然にいちかを守るように隣にいた。
「助かった……」
「怖くなかった?」
「莉久がいたから平気だった」
そう答えると、莉久は少しだけ目を細めた。
そのまま、境内の端の静かな場所まで連れていかれる。
「いちか」
名前を呼ばれて顔を上げる。
さっきまで人混みの中で見せていた顔よりも、ずっとやわらかい表情だった。
「今日はほんとにかわいい」
「また言う……」
「だって、ずっと言いたかった」
莉久の指が、そっといちかの髪飾りに触れる。
乱れていないか確認するみたいにやさしい手つきなのに、その目はひどく甘い。
「周りのやつに見せたくないくらい」
「っ……」
「着物姿も、俺の隣で笑ってる顔も、全部」
いちかの頬はまた熱くなる。
こんなふうに独占したいみたいに言われるたび、苦しいくらいうれしくなる。
「でも」
莉久は少しだけ顔を近づける。
「今日いちばんうれしいのは、ちゃんと隣にいること」
そのひと言に、いちかは胸いっぱいになって、そっと莉久のコートの袖をつかんだ。
「私も……莉久と来れてうれしい」
言うと、莉久はふっと笑う。
それから、誰も見ていないのを確かめるみたいに周りを見て、いちかの額にそっとキスを落とした。
「新年最初のごほうび」
「もう……こんなところで」
「人少ないし」
「そういう問題じゃないよ」
困ったように笑ういちかを見て、莉久は満足そうに目を細めた。
お参りをしたあと、おみくじを引いて、屋台で甘いものを分け合う。
その間も莉久はずっと自然にいちかを守るように隣にいた。



