いちご色の恋予報♡

「すごい人……」

小さくつぶやくと、莉久がすぐに振り向く。

「大丈夫?」

「うん。でも、はぐれそう」

その言葉を聞いた瞬間、莉久の表情が変わった。
次の瞬間、つないでいた手をぐっと引かれて、いちかは莉久のすぐそばに寄せられる。

「離れないで」

低い声が耳元に落ちる。

「今日は絶対、俺のそばにいて」

そう言うと、莉久は手をつなぐだけじゃなく、いちかを人混みからかばうように肩を抱いた。
自然に外側へ立ってくれるその姿に、胸がきゅっと甘くなる。

「莉久、近い……」

「人多いから」

「それだけ?」

聞いてみると、莉久は少しだけ笑った。

「それだけじゃない」

心臓が跳ねる。
でもその続きは言わないまま、莉久はいちかを守るように歩いた。

石段のところでは、着物で歩きにくいいちかの手をしっかり握る。
人がぶつかりそうになれば、すぐに引き寄せる。
そのたびに距離が近くなって、いちかの胸はずっと落ち着かない。