いちご色の恋予報♡

「……入って」

「う、うん」

「寒いでしょ」

そう言って、いちかの手を引く。
外で冷えていた指先をそのまま包まれて、胸がきゅっとなる。

部屋の中はあたたかくて、ほんのり甘い香りがした。
テーブルの上には小さなケーキと、赤いリボンのついた箱。
どう見ても、今日のためにちゃんと用意してくれている。

「すごい……クリスマスって感じ」

「白石が喜ぶかなと思って」

その言い方がさりげないのにやさしくて、いちかは思わず笑った。

「うれしい」

そう言うと、莉久は少しだけ安心したように目を細める。

ケーキを食べて、他愛ない話をして、プレゼントを交換して。
それだけなのに、いつもの何倍も幸せだった。

いちかが渡した小さなプレゼントを開けた莉久は、めずらしく少し驚いた顔をした。

「これ、俺に?」

「うん……あんまり高いのじゃないけど」

「そういう問題じゃない」

莉久は箱の中を見つめたまま、静かに言う。

「白石が俺のために選んだってだけで、もうだめ」

「だ、だめってなに……」

「うれしすぎる」

その声がいつもよりずっとやわらかくて、いちかの胸はじんとあたたかくなった。

ひと通り落ち着いたあと、窓の外を見ると、空はもう暗くなりはじめていた。
部屋の明かりがやさしくて、ふたりの距離まで少し特別に変えてしまう。