いちご色の恋予報♡

「図書室で言ったこと、覚えてる?」

低い声が落ちてくる。

「今、すごくキスしたいって……」

思い出した瞬間、いちかの頬が一気に熱くなる。
莉久はその顔を見て、少しだけ目を細めた。

「今なら、していい?」

ちゃんと聞いてくれるところが、莉久らしかった。
強引なのに、いちばん大事なところはやさしい。

いちかはどきどきしながら、小さくうなずく。

「……うん」

その返事を聞いた莉久は、いちかの頬にそっと触れた。
指先は驚くほどやさしいのに、その目だけはまっすぐで、熱っぽい。

「目、閉じて」

言われたとおりに目を閉じる。
夕方の風が、ふたりのあいだをすり抜ける。
次の瞬間、唇にやわらかなぬくもりが重なった。

やさしい。
でも、確かに好きが伝わってくるキスだった。

短く触れただけなのに、心の奥まで甘くしびれる。
離れたあとも、いちかはすぐに目を開けられなかった。

「……白石」

名前を呼ばれて、そっと目を開ける。
すぐ目の前にいる莉久は、少しだけ困ったように笑っていた。

「その顔、反則」

「ど、どんな顔……?」

「もっとしたくなる顔」

その言葉に、いちかの呼吸が止まる。
けれど莉久はすぐに、いちかの額に自分の額をこつんと当てた。