女の子の手が私の頭に向かって伸びてくる。
そう判断するのに、何秒必要だったかな。
多分1.5秒くらい。
それくらい、気付くのが遅かった。
「っっっ!!!」
女の子の手は……私のウィッグを掴んだ。
そして……ウィッグは女の子の手の中にある。
私は後ろに避けた反動で尻もちをついた。
──サラサラサラ。
私の髪の毛が少しずつ束になって降りてくる。
今までこらえていた涙が一気に溢れてくる。
「──!ももいろ?」
「うそでしょ......!ももいろだったの!?」
あぁ、もう……ダメだ。
私は女の子の手の中にあった黒髪のウィッグを奪った。
そして……全っ力で走った。
とりあえず、学校内だったらどこでもいいから何処かに着けばいいなって。
校内を走る。
桃色の髪をなびかせて。



