「……由紀は分かっとらん。ボケてて、言葉足らずはそっちやろ」
あの日、少し気まずい雰囲気のまま別れて、由紀はぼんやりと家路についた。
一人暮らしの1LDKには好きなものが少しずつ増えてきて、夏希とも再会して、自分の居心地のいい場所が形を成してきた矢先の出来事だった。
夏希の言動を理解したのが遅かったから?
嬉しい出来事のはずなのに、同じ気持ちを持っているのだと気付いたのに、上手く重なることが出来なかった。
ベッドに投げやりに倒した身体は怠く、耳の奥まで響く胸の鼓動がどの感情から生まれているのか分からない。
ドキドキ、そわそわ、じくじく、ぶるぶる。
あれ、なんか寒いかも?
築年数長めの鉄筋コンクリート建てアパートの一室。リフォームされた内装は美しいのに、冬の隙間風をしっかり招き入れていた。
――――残念なことに、あの日に全ての撮影は終わっていた。
海で明かされた言葉の意味を説明して欲しい。
ちゃんと話し合いたい。
そう願っていたものの、夏希は学校と外で態度を変えた中学時代のように、何事もなかったかの如く由紀に接してきた。
そう、二人の間に短編映画の制作以外、何もないと言わんばかりに、あの日を境にして由紀を直接迎えにくることも、待ち合せすることもなくなった。
そもそも映画のために時間を共有することが増えたのだから、当然と言われれば当然なのだが。
本当にそれだけで終わらせてしまうつもりなのだろうか。
あの日、少し気まずい雰囲気のまま別れて、由紀はぼんやりと家路についた。
一人暮らしの1LDKには好きなものが少しずつ増えてきて、夏希とも再会して、自分の居心地のいい場所が形を成してきた矢先の出来事だった。
夏希の言動を理解したのが遅かったから?
嬉しい出来事のはずなのに、同じ気持ちを持っているのだと気付いたのに、上手く重なることが出来なかった。
ベッドに投げやりに倒した身体は怠く、耳の奥まで響く胸の鼓動がどの感情から生まれているのか分からない。
ドキドキ、そわそわ、じくじく、ぶるぶる。
あれ、なんか寒いかも?
築年数長めの鉄筋コンクリート建てアパートの一室。リフォームされた内装は美しいのに、冬の隙間風をしっかり招き入れていた。
――――残念なことに、あの日に全ての撮影は終わっていた。
海で明かされた言葉の意味を説明して欲しい。
ちゃんと話し合いたい。
そう願っていたものの、夏希は学校と外で態度を変えた中学時代のように、何事もなかったかの如く由紀に接してきた。
そう、二人の間に短編映画の制作以外、何もないと言わんばかりに、あの日を境にして由紀を直接迎えにくることも、待ち合せすることもなくなった。
そもそも映画のために時間を共有することが増えたのだから、当然と言われれば当然なのだが。
本当にそれだけで終わらせてしまうつもりなのだろうか。



