なってみせる、愛しのクリスタル♡~トップ男子たちに愛されるのがわたしの使命!?

どうしよう、授業サボっちゃった。
庶民入学は成績落としたら即退学なのに教室に戻れなくて午後の授業受けないまま放課後になっちゃった。

花瓶を元の場所に戻して誰もいなくなった教室にこっそり帰って来た。
窓の閉め切った教室は風もなくてむなしい。

だからね、今なら大丈夫。
少しならきっとわからない。

上を向いてなきゃこぼて来そうになる涙も、我慢しなくたって。

「…っ」

でも、わたしはまだ負けたくないのー…

「さっさとやめろよ」

しんっとした教室に低い声が響いた。
目を大きくしてドアの方を見ると、寄りかかりながら腕を組んでこっちをにらみつけていた。


椿原希生ー…!


「わかっただろ?庶民が来るとこじゃねぇーんだよ、ここは」

吐き捨てるみたいに言い放つとめんどくさそうに息を吐いた。
どこかテキトーに視線をそらしてもう一度わたしを見る、その瞳はするどくてドクンッと胸が声を出した。

「お前にクリスタルレディーは無理だ」

低い声が、胸に刺さる。

息が苦しくなるみたいだった。
苦しくて涙も出て来なくなっちゃった、ぎゅって押しつぶされたみたいで。

「…無理かどうかなんてやってみなきゃわからないから」

「わかるだろ?現に誰もお前のことなんか見てもいない」

「でも…っ」

キッと椿原希生の方を見て、精一杯力を込める。

誰にも相手にされなくたって、誰も見ていなくたって、やっとここに来たんだから。


やっと来られたんだから…!


「そんなになりたいのかよ、クリスタルレディーに」

わたしの居場所はここじゃなくてもー…

「なりたい…っ!」

夢を叶えるためには、ならなくちゃいけないの。