「こんなの先生頼んでないですよ」
授業が始まるギリギリ、だけどここまで来ちゃったしとりあえず職員室に持ってきてみたら担任の桂井先生にちょっと嫌な顔をされた。
メガネをかけた桂井先生はお母さんみたいな先生でいつもはやさしいんだけど今日は少し違って。
「こんなとこにそんなもの持ってきたらダメですよ、割れたらどうするの」
「え、でも特別な水を使ってるから職員室で交換をって…」
「何言ってるの?それはいつも用務員の方が変えてくれてるの、邪魔したらダメじゃない!」
「え、だって…っ」
“このお花の水ね、特別な水を使ってるから職員室で毎回交換してもらうの”
そう言ってた、桃野木さんが。だからわたしに運んでほしいって。
「わざわざ職員室で水の交換なんかするわけないでしょ!」
あきらかにイラッとした桂井先生はうっとしそうにわたしを見てた。
そう言ってたのに、桃野木さんがそう言ってたのに。
わたしを頼ってくれたんだってうれしくなってここまで来たのに…
もしかして違ったの?
「もういいわ、教室に戻りなさい」
急にずしんって花瓶が重たくなった。
これをまた持って戻らなきゃ…
さっきよりも重くなったように感じるのはどうしてかな?全然平気だって思ってたのに。
「これだから庶民入学の子は困るのよね」
ぼそっと桂井先生が言った。もうわたしのことなんか見てなくて、ノートに何か書いて仕事をしてたけど。
「校長もどうしてこんな制度作ったのかしら」
じわじわと瞳が熱くなっていく。少しずつ瞳がにじんで前が見えなくなる、花瓶のせいで拭くこともできなくて。
ここでわたしはそんな風にしか見られてないことわかってたよ、わかってたけど。
でもうれしかったからー…
“花村さん、これ運んでくれる?”
嘘でも、仲良くなりたかった。
授業が始まるギリギリ、だけどここまで来ちゃったしとりあえず職員室に持ってきてみたら担任の桂井先生にちょっと嫌な顔をされた。
メガネをかけた桂井先生はお母さんみたいな先生でいつもはやさしいんだけど今日は少し違って。
「こんなとこにそんなもの持ってきたらダメですよ、割れたらどうするの」
「え、でも特別な水を使ってるから職員室で交換をって…」
「何言ってるの?それはいつも用務員の方が変えてくれてるの、邪魔したらダメじゃない!」
「え、だって…っ」
“このお花の水ね、特別な水を使ってるから職員室で毎回交換してもらうの”
そう言ってた、桃野木さんが。だからわたしに運んでほしいって。
「わざわざ職員室で水の交換なんかするわけないでしょ!」
あきらかにイラッとした桂井先生はうっとしそうにわたしを見てた。
そう言ってたのに、桃野木さんがそう言ってたのに。
わたしを頼ってくれたんだってうれしくなってここまで来たのに…
もしかして違ったの?
「もういいわ、教室に戻りなさい」
急にずしんって花瓶が重たくなった。
これをまた持って戻らなきゃ…
さっきよりも重くなったように感じるのはどうしてかな?全然平気だって思ってたのに。
「これだから庶民入学の子は困るのよね」
ぼそっと桂井先生が言った。もうわたしのことなんか見てなくて、ノートに何か書いて仕事をしてたけど。
「校長もどうしてこんな制度作ったのかしら」
じわじわと瞳が熱くなっていく。少しずつ瞳がにじんで前が見えなくなる、花瓶のせいで拭くこともできなくて。
ここでわたしはそんな風にしか見られてないことわかってたよ、わかってたけど。
でもうれしかったからー…
“花村さん、これ運んでくれる?”
嘘でも、仲良くなりたかった。



