星空玲&如月みぞれコラボ短編第一巻「お忍びダブルデート」『ファインダー越しのシンデレラ』&『ソロ・デュエット』

その日の夜、私は緊張でなかなか寝付けなかった。

とはいえ、それで目の下にクマができたら嫌だ……!

事務所の人には、家庭の事情ですって言って頼んでおいたし、お仕事をデートで潰してしまうのはヒジョーに申し訳ないけど、罪悪感で胸がいっぱいだけど、大好きな悠陽とデートかぁ♡ふふっ、楽しみ。

楽しみにしているうちに、いつしか夢へ落ちていった。




2回目の夜。

急いで、昨日の夜準備しておいた服に着替える。

悠陽のお父様お母様がくれたお小遣いと、今まで自分で頑張って貯めてきたお金を、可能な限り残すために、可愛いけれどちょっと控えめなコーデにしておいた。


上は黒いブラウスに、下は白いリボンがオシャレなサイドスリットパンツ。

ワンピースのような王道ではないけれど、悠陽が喜んでくれると良いなっ。


下へ降りていくと、悠陽のお父様お母様があたたかく出迎えてくれた。

「今日は悠陽とのお出かけなんだな。気を付けてね」

「悠陽、すっごい楽しみにしてたわよ。いってらっしゃい」

笑顔に見送られて、私はあの公園へ向かった。


初めてなのに、良かった、無事に着いた……!

重度の方向オンチの私は、5回くらい間違わないと道を覚えられないのだ。




あっ。


悠陽がいる!


嬉しさで悠陽のもとへ駆け寄った。

「悠陽!」

「美夜!……怖いほど可愛いな。シンプルなのに、すごく可愛い」

「喜んでもらえて良かった!この服、可愛いですよね〜っ」

「そうじゃなくて、美夜が着てるから、その服が可愛い」


その言葉の意味が分からず私は一瞬固まってしまった。

けれど、すぐに理解できた。

悠陽が、私のこと、可愛いって言ってくれたんだ……!

って。

恥ずかしかった。

でも、幸福感に満たされていた。

夜の静寂に、悠陽の笑顔が輝いて見えた。