わたしは吸血鬼なカレの番



「っ!?」



立ち込める、冷え切った氷のような冷気。

生徒会室の温度が一瞬で氷点下まで下がった気がした。

入り口に立っていたのは──眉間に恐ろしいシワを寄せ、全身から怒りのオーラを吹き出させている神城先輩だった。



「──東條寺」



地の底から響くような、地獄の底から届いたような低い声。



「お前は、俺の番に何をしている」

「やだなあヴァル、お仕事の手伝いと差し入れだよ。あかりちゃん、頑張ってたからさ」



侑季先輩はひらひらと手を振ってその場を和ませようとする。

けど、神城先輩は一切の猶予も与えず、一直線に歩み寄ってきた。

その足音は怒りに満ちていて、床がミシミシと鳴っている気がする。

神城先輩は侑季先輩と私の間に割り込むように強引に立った。

侑季先輩を背中で押しやるように遮り、赤い瞳で私を睨みつける。



「……あかり、来い」



文句を言う隙もなかった。

神城先輩は私の右手首をギュッと強く掴むと、そのまま奥にある生徒会長室へと強引に引きずり込んだ。



「せ、先輩! 後半の資料のホチキス留めが……っ!」

「そんなものは東條寺にやらせておけ!」

「えぇー! 俺がやるの〜!?」



遠ざかる侑季先輩の悲鳴を背に、重い扉が容赦なく閉められてしまった。