わたしは吸血鬼なカレの番



スッ。

ヴァル先輩の手が、私の手の上から優しく重なった。

先輩の手はひんやりと冷たいはずなのに、なぜかすごく温かく感じられた。

先輩の顔を見上げる。

透き通るような白い頬が、ほんのりと鮮やかな朱色に染まっていた。



「……お前は、本当に変わった人間だな」



困ったように眉を下げて。

でも──今まで見たこともないほど柔らかく、愛おしそうに目を細めて、彼は微笑んだ。

冷酷な吸血鬼の面影なんて、どこにもない。

そこにいたのは、ただの一人の男の子。

その笑みに、私の心臓がドクンと大きく跳ね上がった。