わたしは吸血鬼なカレの番



すっかり縮こまって、つい弱音をこぼす。

すると、神城先輩は私のおでこを指先でツンと突いた。



「……貸してみろ。どこで躓いているのか見てやる」

「えっ……先輩が教えてくれるんですか!?」



思いがけない申し出に、私は目を丸くした。

超多忙な先輩が、私なんかの補習をしてくれるなんて……!

先輩は私の驚きを完全に無視して、私の隣に優雅に腰を下ろした。



「まず、この式をそのまま展開しようとするから混乱するのだ。ここに注目しろ。共通する項を別の文字に置き換えれば、計算は一目瞭然になる」


私のノートの余白に、サラサラと綺麗な文字で解法を書き込んでいく。


「あ……本当だ! すごい、一気に簡単になった……!」

「お前はここからの計算手順を丸暗記しようとしていただろう。本質はそこではない」



神城先輩の教え方は、あまりにも的確で分かりやすかった。

難解だった数学の文章題が、まるで魔法みたいにするすると紐解かれていく。

感心しながらノートを見つめていた私は、ふと、前から気になっていた純粋な疑問を口にした。