わたしは吸血鬼なカレの番


◇



静まり返った生徒会室に、一人取り残された私。

自分の手が、まだお箸を握ったまま少し震えている。


私は真っ赤になった自分の顔を、両手で包み込んだ。

あんなに嫌そうな顔して……無理してまで食べるなんて……

人間の食べ物なんて、彼にとっては苦痛でしかないはずなのに。

あれって……ヤキモチ、だよね……?


葵くんと蓮くんに嫉妬して、「自分も」って張り合っちゃうなんて。

……先輩もあんなことするんだ。

いつもは冷酷で、完璧で、手の届かない吸血鬼の会長様。


「……ふふっ」



そんな先輩の新しい一面を垣間見て、私は誰もいない部屋でクスッと笑ってしまった。



お箸を置いて、冷めかけた自分のお弁当を見つめる。

今日のお昼ご飯は、なんだか胸がいっぱいで、いつもよりずっと甘く感じられたのだった。