わたしは吸血鬼なカレの番



◇


バタン!

ドアが閉まり、静まり返る生徒会室。

残されたのは、不機嫌そのものの神城先輩。

それから、お箸に卵焼きをつまんだまま、フリーズしている私。



「あ、あの……神城先輩……?」



恐る恐る声をかけると、神城先輩はハッと我に返ったように私を見下ろした。

その鋭い視線が、スッ……と下に向かう。

そこには、お箸につままれたまま行き場を失った黄色い卵焼きが。


──次の瞬間。


「え……?」



神城先輩が、すっと顔を近づけてきた。

パクッ。



「…………!?」



時が止まる。

なんと神城先輩は、私が持っていたお箸から直接、残っていた卵焼きを口の中に放り込んだのだ。

え……ええええええ!?

頭の中が真っ白になる。

じ、実質……私から神城先輩への……あーん……ってこと!?

パニックになって、顔が一瞬で爆発しそうに熱くなった。

私の混乱を余所に、神城先輩は口を動かし始めた。

もぐもぐと、噛み締めるように。

……けど。

次の瞬間。

ぐにゃり。

神城先輩の美しい眉が、これ以上ないほど大いにひそめられた。