「……お前たち」
地の底から響くような、低く掠れた声。
「俺の目の届かないところで、俺の番に何をさせている?」
空気がビリビリと震えるほどの威圧感。
い、生きた心地がしない……!
けれど──当のふたりは、恐れるどころかクスリと楽しそうに笑い声を上げた。
「あはは、会長が怖い顔してる〜」
「あかりちゃんが『あーん』してくれた卵焼き、すっごく美味しかったよ~!かいちょ~もあーんしてもらったら??」
「……黙れと言っている……っ!」
神城先輩の額に青筋が浮かぶ。
「ごちそうさま、あかりちゃん! またあーんしてね〜!」
ふたりはひょこひょこと軽やかにしっぽを振ると、嵐のように逃げ出し、生徒会室を飛び出していった。

