「……ん、は……。……力を抜け……」 先輩の喉が鳴る音が、ダイレクトに耳に届く。 バチバチバチ……と強くなる雨の音が、私の口から漏れてしまう恥ずかしい吐息も。 彼が私の血を貪り味わう甘い音も。 すべてを優しく覆い隠してくれていた。 二人だけの、雨の中の秘密の時間。 意識がぼやけて、頭の中が真っ白になっていく。 私はただ、冷たくて温かい神城先輩の腕の中で、全身を預けることしかできなかった。