わたしは吸血鬼なカレの番



見上げると、そこには漆黒の長傘を差した神城先輩が立っていた。

濡れた黒髪が、彼の白い肌に張り付いて色っぽい。

赤い瞳が、どこか苛立ちを孕んで私を見下ろしていた。



「神城先輩っ!? どうしてここに……っ」

「遅いから見に来ただけだ」



先輩は不機嫌そうに眉をひそめた。



「俺を待たせるとは何事だ。お茶の時間が過ぎているぞ」

「ご、ごめんなさい! 資料整理に思いのほか時間がかかっちゃって……それに、急に雨が降ってきたから動けなくて……」



私が縮こまって謝ると、先輩は「はぁ……」と大袈裟にため息をついた。

そして──自分が差していた漆黒の傘を、ポンと私の手元へ差し出してきたのだ。