「あーかーりーちゃんっ!」
「ひゃいっ!?」
頭上から降ってきた軽やかで澄んだ声に、私はおにぎりを抱えたまま小さく跳ねてしまった。
「ゆ、侑季先輩……!?」
「あはは、驚かせてごめんね。探したよ〜あかりちゃん。ヴァルが『俺の番がいない』ってすねちゃってさ」
振り返ると、そこには困ったように眉を下げて苦笑いする侑季先輩の姿があった。
「えっ……神城先輩がですか?」
「うん。『腹が減った』ってご立腹でね。あかりちゃんの顔を見ないと落ち着かないみたいなんだ。……というわけで、一緒に来てくれないかな?」
申し訳なさそうに手を合わせる先輩。
……うう、そんな優しい顔で頼まれたら断れるはずがない。
「……はいっ、わかりました!」
おにぎりを慌ててバッグに押し込み、私は立ち上がった。

