――で、一方の私はというと。
完全に置いてけぼりというか。
うわあ、ふたりともイケメンだなあ、とか。
映画のワンシーンみたいだなあ、とか。
キョロキョロと神城先輩と侑季先輩の顔を交互に見上げながら、そんなことを考えることしかできない。
「……おい、なにアホ面のまま固まっているのだ白石あかり」
「ア、アホ面!!?」
急に神城先輩の声が自分に向けて降ってきて、驚きのあまり声が裏返ってしまう。
「だ、だって全然状況が呑み込めないんですもん……!さっきの行動だってわけわかんないし!」
私の抗議に、侑季先輩が小首をかしげた。
「さっきの行動?」
「神城先輩、いきなり私の手首を掴んで指の血を吸ってきたんです!」
私の抗議に侑季先輩は、呆れ果てたような目を神城先輩に向ける。
「……ヴァル。まさか、何の説明もなしにいきなり血を吸ったの?」
「……少し味見をしただけだ。そもそも、白石あかりは俺の番だ。自分のものをどうしようが勝手だろう」

