「きゃっ!?」
生徒会長室の奥からスッと伸びてきた強い腕に、私の腰が強引に抱き寄せられた。
そのまま生徒会長室の入り口に引き戻されて、私は硬い胸板にすっぽりと収まってしまう。
「……東條寺」
不機嫌そうな顔をして出てきたのは、神城先輩だった。
先輩は私を自分の体にぴったりと密着させたまま、血走った赤い瞳で侑季先輩をにらみつけた。
体からは、周囲の空気を凍りつかせるような凄まじい殺気が放たれている。
「俺の番にお前の匂いが付いていたぞ。どういうつもりだ」
「あはは、ごめんごめん。校門からここまで案内しただけだから、そんなに威嚇しないでよヴァル」
とげとげしい殺気を向けられているというのに、侑季先輩はどこ吹く風って感じでひらひらと手を振って軽やかにかわしている。

