「……し、失礼しましたぁ……っ」
ようやく解放された私は、へにゃへにゃになりながらなんとか生徒会長室から外に出た。
なんだか……悪い夢を見た後みたい。
頭の中で、さっき見た光景がフラッシュバックする。
私の指先から血を舐めとる神城先輩。
見たことないくらい尖った犬歯。
先輩の口から発せられた『番』という言葉。
そして頭の中でぐるぐる回る『吸血鬼』の三文字――
頭の上には大きなハテナマークと、絶望の二文字がフワフワと浮かんでる。
「あかりちゃん!? 大丈夫……!?」
青ざめた私に気づいた侑季先輩が、心配そうに駆け寄ってきてくれた。
「ゆ、侑季せんぱぁい……っ」
その優しさに泣きそうになりながら手を伸ばした──その時。
ガシッ!

