「な、なにするんですか……!?」 叫ぶ私を完全にスルーして、彼は溢れた血に、ゆっくりと舌を這わせた。 「──ッ」 ペロリと血を掬い取ると、一口、味わうように喉を鳴らす。 部屋の空気の中に、甘く重い鉄の匂いが溶け込んでいく。 何してるのこの人……! 意味わかんないんだけど!! 「……っ、は」 その瞬間。 彼の細い喉が大きく動いて、荒い吐息が漏れた。 じわじわと、彼の真っ白な頬が熱っぽく朱に染まっていく。 そして──深い赤い瞳が、爛々と妖しく輝き始めた。