指先からじんわり伝わる、私の体温。 出会った頃は「冷たいな」って思っていた彼の指先が、今では驚くほど温かく私を包み込んでくれる。 ヴァル先輩は一瞬だけパチパチと目を丸くしていたけれど――。 やがて、困ったように眉を下げると、握られた私の手をギュッと握り返してくれた。 「……お前は本当に、つけあがるのが早い」 低い呟き。 けれど、そこに冷たさは全然なかった。 だって、そっぽを向いたままのヴァル先輩の口元が、柔らかく緩んでいたから。