わたしは吸血鬼なカレの番



ガチャ……とドアノブを回す。

緊張で吐きそうになりながら足を踏み入れた瞬間──私は思わず息を呑んだ。

ふかふかの絨毯に、高級そうなアンティーク調の家具。

天井からは見たこともないほど豪華なシャンデリアが吊り下げられている。

生徒会室も十分ゴージャスだったけど……こっちはもっとすごい。


……ここ、本当に学校だよね!?

この部屋だけで、私のボロアパートより余裕で広いんだけど……!?


そんな部屋の真ん中にある豪華なソファに、一人の男子生徒が腰掛けていた。

手に持っているのは、繊細な彫刻が施された高そうなティーカップ。



すっごく綺麗な人……。

思わず、言葉を失って立ち尽くしてしまった。


夜の闇をそのまま溶かしたみたいな、艶やかな漆黒の髪。

陶器のように白くて、透き通るような美しい肌。

そして──吸い込まれそうなくらい深い、鮮やかで妖しい赤い瞳。

ティーカップを口元に運ぶその一挙一動があまりにも絵になりすぎていて。

まるで美術館にある絵画を見てるみたいだった。



「──君が、特別編入生か」