皆に見えないデスクの影で、私はそっと手を伸ばしてみた。
不機嫌そうに組まれたヴァル先輩の腕から、滑り落ちた長い指先。
ぎゅっ。
「……っ!?」
私が自分からそっと彼の指先を握りしめると、ヴァル先輩は肩を跳ねさせて驚いたように私を見上げてきた。
「あ、あかり……? お前、何を……っ」
焦ったように視線を泳がせるヴァル先輩。
真っ白な肌の耳の先端が、見る見るうちに真っ赤に染まっていくのがわかって、なんだか可笑しくなってしまう。
握りしめた手に、少しだけぎゅっと力を込める。
「ヴァル先輩。……今日もお仕事、お疲れ様です」
「……っ」

