わたしは吸血鬼なカレの番



ピキッ……。

突然、部屋の温度が一気に数度下がった気がした。



「……っ!?」



あまりの空気の変化に、みんなの動きがぴたりと止まった。

な、なんだか生徒会長室のドアから、恐ろしい不機嫌オーラが漏れ出してきてる……!?



「……お前たち」



地の底から響くような低い声。

開いたドアの隙間からヴァル先輩が、殺気立った瞳で双子をめちゃくちゃ睨みつけていた。



「俺の番(つがい)に気安く触れるなと言ったはずだ。……万死に値するぞ」

「きゃ~っ! 会長が本気で怒ってる〜!」



葵くんと蓮くんはひゃあっと悲鳴をあげると、ダダダッと走って出て行っちゃった。



「あかりちゃん! またね〜!」

「逃げるな! 狐……っ!」

「はいはい、会長も落ち着いて。書類のサインがまだ残ってますよ〜」

「もうっ、相変わらずあかりちゃんのことになると余裕がないんだから」



逃げる双子を追いかけようとするヴァル先輩を、侑季先輩とセシル先輩が苦笑しながらなだめている。


……本当に、すっかりお馴染みの光景だなあ。