わたしは吸血鬼なカレの番



◇


ゆっくりと唇が離れると、先輩は照れくさそうにふいっとそっぽを向いた。

その姿があまりにも可愛くて、私は思わずクスッと笑ってしまう。



「……なにが可笑しい」

「ふぇ……きゃあっ!?」



ぐいっと強い力で腕を引かれ、視界がくるりと反転した。

あっという間にふかふかのベッドの上に押し倒され、ヴァル先輩の大きな体が私の上に覆いかぶさる。

首筋に埋められる彼の顔。

サラサラとした髪が私の首元をくすぐって、フッとあたたかい吐息が肌を叩く。



「ん……ヴァ、ヴァル先輩……っ?」



先輩は私の首筋に鼻先をすりすりと擦りつけながら、どこか甘えるような、けれど抗えない低く艶のある声で呟いた。



「……腹が減った」

「えっ、あ、夕飯なら使用人の方を──」

「あかりの血が飲みたい」

「ひゃいっ!?」

「暴れるな。……お前の血を吸えば、怪我の治りも早くなる」