「気づいたんだ。……俺がお前をこれほどまでに愛おしく、大切に思うのは……極上の血を持つ『エサ』だからではない」
「……っ」
「血など、どうでもいいのだ。お前の血が美味しかろうが、あるいは一滴も吸えなくなろうが……そんなことはどうでもいい」
先輩のひんやりとした指先が、私の涙で濡れた頬を優しく拭う。
「俺は……白石あかりという、一人の女性を愛している」
ハッキリと、迷いのない声で紡がれる言葉。
「神城の当主としてでも、生徒会長としてでもない。……ただの『神城 ヴァル』として、お前を愛しているのだ」
「……っ!」
「俺の生涯をかけて……お前を守り、愛し続けることを誓う」
胸の奥が、熱く、熱く破裂しそうになった。
さっきまでの後悔の涙とは違う、溢れ出る幸せの涙がぽろぽろと頬を伝い落ちる。

