「――まったく。会長を出し抜いて謀を企てるなんて、感心しないなぁ……。セシル、ありがと。もう歌を止めて大丈夫だよ」
後方からゆったりと現れたのは侑季先輩。
そして、その隣では歌声の主──セシル先輩が、ふぅと短く優美な息をついた。
「……ふぅ。お役に立てて良かったわ。……あかりちゃん、怪我はないかしら?」
「セシル先輩……! はい、私は大丈夫です……!」
侑季先輩は私に向けた優しかった瞳を一変させると、底冷えするような冷徹な笑みを浮かべて、倒れて動けない反会長派の生徒たちの元へ歩み寄った。
そして、慣れた手つきで呪符のついた縄を取り出し、手早く手首を縛り上げていく。
「ふふ……裏でコソコソと不穏な動きをしていたのは君たちだったんだね。会長の弱点を突いたつもりかもしれないけれど……僕たち生徒会を甘く見てもらっては困るな」
侑季先輩の冷ややかな眼光と、バックに控えるみんなの圧迫感に、縛られた反会長派の生徒たちは顔色を失ってガチガチと震え上がっていた。

