わたしは吸血鬼なカレの番



「吸血鬼はとても繊細だ。……別人の牙が入ればその血は一気に汚濁し、お前のエサとして二度と使えなくなるぞ!」

「っ……!!」



どこまでも下劣で恐ろしい脅し。

その言葉を聞いた瞬間、一歩踏み出そうとしていたヴァル先輩の足が、ピタリと止まった。



「ヴァル先輩……!」



先輩は両拳を血が滲むほど強く握りしめたまま、一歩も動くことができなくなってしまう。

私を傷つけさせないため。

私を他の男に汚させないため。



圧倒的な強さを持つはずの先輩が、その威圧も魔力も、完全に封じ込められてしまったのだ。