◇
ドンッ!!!!
「あかり!!」
地下礼拝堂の重厚な鉄の扉が、凄まじい衝撃波とともに荒々しく開け放たれた。
立ち込める煙と粉塵の奥から現れたのは──漆黒の外套を激しくなびかせたヴァル先輩。
その圧倒的な佇まいに、私は思わず息を呑んだ。
「ヴァル先輩……! 来ちゃダメ……っ! 罠です……!」
叫ぼうとした瞬間、レイくんに髪を根元から強く引っ張り上げられる。
「痛っ……!」
「人質は黙ってようね~」
いつも通り優しくて人懐っこい声色なのに、その目は見たことないくらい冷たい。
……私の知ってるレイくんじゃない。
それが怖くて悲しくて。

